タイトルだけを見るとセンセーショナルな感じはしますが、要するに「電気を使うのは、電気にしかできないことだけにしてみない?」という減電のススメです。
今流行ってる?いわゆる「オフグリッド」(電気などを自給でまかなうこと)の先駆けてきな人だったっけ?と思いましたが、ブックマークしたつもりの記事が見当たりません。。。
しかたがないので検索するとこんな記事が。
http://nikkan-spa.jp/756345
岡山に行った時にお世話になった大塚さんも登場していてびっくりしました。
いろいろスッキリしてなかったことがスッキリして、この本を読んで良かったと思いました。
筆者の木村氏は元東電社員で、原子炉の設計などもしていた、まさに原子力発電所のプロ。(という表現も変なのですが。。。w)
彼は福島の事故が起こる10年前ぐらいに東電を退社しています。
理由は以下です。
人々の生活やこの国の経済活動を支える大きな電気エネルギーを生み出しがらも、絶対に人間が共存できない核廃棄物を延々とつくり続けていることに強い矛盾を感じ、またそれに加担して生業とすることに嫌気がさし(以下省略)
よく原子力発電所は「下水のないトイレ」に例えられます。
私は恥ずかしながら実家のある福島がこういうことになってから初めて、原子力発電所やエネルギー問題を自分のこととして考えるようになりました。
ただ私の知人の中には、小さい子供が自分にもいながらも、「原子力発電所を違憲扱いする裁判官は国益が何たるかわかってない」とか「反原発、脱原発の輩はすぐ話をすり替える」とか発言する方もいて、個人的には知人であることも加味して非常にショックを受けたことがあり、「私の脱原発的な考えはおかしいんだろうか」と悩んだ時期もありました。
なので、実際に原子炉の設計をした人もそういう違和感を感じているということをこの本で知り、安心しました。
木村氏は、単純に「原発は絶対なくすべきである!自然エネルギーにしろ!」というわけではなく、まず、電気などを始めとするエネルギーの使い方を見直しましょうという提案をしています。
現在、木村氏は太陽光発電の設置なども生業としているようですが、設置を検討している方にまずお願いするのは、電気を使うのは、電気でなければならない部分だけになるようなエネルギーの使い方の見直しです。
これを行うことで、効率よく太陽光エネルギーで生活の電気をまかなえるようになるし、エネルギーの重要さをそれぞれが認識できるようになるそうです。実際に住職さんの家庭で減電=>太陽光発電を設置したところ、お孫さんが電気の大切さを認識したのか、つけっぱなしの電気を消して歩いているそうです。
すごいことですよね。
あとはよく現在、放射能関係の管理はきちんとされているし、自然界にも放射能があるので大丈夫なんだ、みたいな啓蒙をされることがあり、実際にこの間も佐渡市内の某協会関係の講座でも保健所の人がそういう話をして違和感を感じましたが、それについても書かれています。
いずれにしても、大手のメーカーからお金を出して買わなくても自分でいろいろ作り出せるようになれば、何があっても大丈夫という感じの提言もあり、それについてもその通りだなと感じます。
私が今住んでいる佐渡は島なので、海がしけたり、地震による津波などで港が破壊され、船がしばらくこれなかった時期などもあったようです。そういう環境なので、何かあってもできるだけ自給自足できるように島の人たちはIT関係だろうかなんだろうが野菜作ったりするのは普通です。その延長で自然の恵をいただきながら、できるだけ自然を破壊しないように電気も自分で作ればいいじゃないかというのは違和感なく受け入れることができました。
完全なオフグリッドまでは難しいとは思いますが、生活の中で電気を使うのは電気しかできないことだけになるように、少しずつ試してみようかなと思いました。
わかりやすく書いてあるし、時間的にもすぐ読めますので、皆さんにおすすめです!