佐渡移住推進課日記

絶滅危惧種を田んぼで飼おう!@新潟大学 「朱鷺の島地域再生人材創出事業」 佐渡農業 ・ 環境講座

3回に渡って新潟大学 「朱鷺の島地域再生人材創出事業」佐渡農業 ・ 環境講座が開催されています。

本日2回目を終了しましたが、今回は先週の第1回目の講座の備忘録。

『農地の自然再生』と題して金沢大学 環日本海域環境研究センター・准教授 西川 潮先生が講義してくださいました。

要するに、佐渡でお米を作っている方のために「環境保全型の稲作をしながら経済性も高めるにはどうすればいいのか」のような感じでしょうか。
いつもの環境保全関係の講座の出席者と若干顔が違う感じがしたので農家の方も多かったのではないかと思いました。

環境保全型の農業について触れるとき、生物多様性に論点が行くので、その辺を根本的に明確にしたほうがいいのかとは思いますが、そこは今回端折って「生物多様性は必要なことである」という前提で話を進めます。
※講義で使われた資料を勝手に載せているので怒られるかもですが、佐渡の、また全国の環境保全の意識を高めていただくきっかけになればと思ってあえて無許可で勝手に掲載します。ご了解下さい・・・

1–補助金が出る取り組みをするとやはり生物多様性に貢献できるよ!

農家の方はすでにご存知なんですが、國としても佐渡市としても、環境保全型の取り組みを行うと、補助金が支給されます。

例えば冬期湛水(たんすい)(=稲刈りが終わった冬の間、田んぼに水をはっておくこと)は500円/10a、江(え)(=簡単にいうと、生物多様性を促進する目的で田んぼの脇に設置された水路のこと)の設置は3500円/10aなど。

いくつかあるのですが、農家の方が設置が大変だと思っているのは魚道がダントツトップでした!

魚道(ぎょどう)=水生生物が、何らかの原因で断絶されてしまった水路や河川と水田間を行き来するための補助的な通路のことです。

参考写真

新穂の野生復帰センターに行く途中の田んぼにある魚道です。

個人的には、魚道は一度設置してしまえばあとは放置である程度大丈夫(なのではと勝手に思っている)な一方、減農だと除草の手間が大変だと思うのでこの結果に驚きを感じました。

しかし結果を見ると、魚道は機能してないという場所も多い一方、比較的簡単と回答がある江や冬季湛水に関しては生物多様性にかなり貢献しているようなので、まあいいのかなという感じもします。

面白いと思ったのは、それぞれの取組でそれぞれの多様化の結果が出ている点と冬季湛水の種類も生物の種類によって方法が違ってくるということ。

まさに手法も多様性が求められるんだなと思いました。

まず多様化の結果について

専門的な内容なので流して下さい・・・

以下2枚は冬の結果。3-6%の結果が出ているのですが決して少なくない数値だということです。

こちら2枚は夏の結果。

江の生物多様性について、夏と冬ではすむ生物が違うようです。驚きーー

上掲資料をまとめた内容。

冬季湛水の方法も通路的なものはトキによさそうで、全面に水をはるのはほかの水鳥や底生動物に良さそうなようです。

2–自然栽培米の田んぼには絶滅危惧種がやってくる!

次のポイントは、こうした取り組みをしながら、米の単価や価値が高まるのかということ。

母数が少ないのでなんとも言えないところもありますが、自然栽培米は収穫量は少ないながらも柔らかさと粘りの指標となるアミロースの含有量や甘みの元であるグルコースなどが極端に高かったようです。(抽出は1名のみでMOA農法の米だそうです。この人の作り方が特別ということも考えられる)

左端の緑のが自然栽培米です。

自然栽培米は5kgで8,000円前後で取引も可能なんですねーー!びっくり!

生物多様性も突出しています。

あとビックリしたのは、こちらの輪島に移住して自然栽培をされている田んぼに絶滅危惧種がやってきたこと!

自然栽培で田んぼをするだけで(というと各方面から批難ごうごうだと思いますがww)絶滅危惧種がおらっちの田んぼにやってくるってすごくないですか?

輪島の方は耕作放棄の田んぼを全部耕作してとおっしゃっていて、自分はそこまでできないと思いましたが、自然栽培やってみたい!と((o(´∀`)o))ワクワクしました。

 

まあ素人目から見ても田んぼは大変だと思うのですがね。。。

自分のところの分と環境保全のために趣味的にという感じでしょうかね・・・

あといろいろありましたが力尽きたので本日はここまでと致します。

 

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