佐渡移住推進課日記

銘酒「久保田」のラベルを生み出す小林康生氏来島!@さどんぽサミット

先日、ふれあいハウス潮津の里にて、「さどんぽサミット」が開催されました。

テーマは「地域資源を活用したインバウンド(外国人など)受け入れづくり」。

最初は面白そうと思って参加申し込みしていましたが、当日、疲れが溜まっていたのと、お腹の調子が悪かったのと重なって、「行くのやめようかな。。。」という感じでしたが、まあ申し込んでたし、行ってみるか。と思って行って来ました。

すると・・・

行って大正解。

今回の講師は、お二方で、一人は、イスラエルと交流のある、柏崎市高柳町門出(かどいで)の小林康生さん。


なんと、あの銘酒「久保田」のラベルの紙をすいている方だそうです。

で、建築家・隈研吾氏とも交流があり、隅氏の依頼でユニークな方法の紙すきなども行っているんだとか。

小林さんの住む柏崎市高柳町門出は、農家が閑散期に副業として紙すきを行っていた地域で、大正時代には40戸程が紙すきをしていたそうです。小林さんが成人前にはすでに小林家のみで、わずか19歳のときに、地域のために紙すきを受け継いでいくという決意をされていて、当時のBSN(TBS系の新潟放送)の映像が残っていて、そのときに語られていたことと、現在の言葉とまったくブレてないということで衝撃を受けました。

門出和紙のはがき↑

自分の私利私欲や名誉や出世のためではなく地域の伝統を存続させるためにという理由で19歳の青年が決意するというのは本当になかなかできることではないと思います。

また、更にすごいと思ったのは、小林さん造語の「白姓(はくしょう)」という言葉。

普通、農民として使われる「百姓」は、本来は、天気の予測に始まって、100の仕事をこなせるスーパーマンである。
自分が百姓を名乗るのはおこがましいので、100から1をひいて「白姓」。

立派なドキュメンタリーもあるようで、今回は機械の不調で残念ながら見ることはできませんでしたが、いつか入手して見たいと思います。

小林さんのもう一つのキーワードは「心配り」。

心配りは「てんこ盛りのご飯」

気配りは「おかわりできるように控えめによそうご飯」

心配りは感動もあるが、人によっては当たり障りがある。(笑)

気配りは感心はするが、感動はない。

どちらかだけということではなく、バランスが大事。

小林さんの言葉は一つ一つが面白いです。

田舎の機能のひとつに「正常な五感を取り戻す」ことがあるともおっしゃってました。

心のメンテ。

 

第二部の日本旅行の国際旅行事業本部の室長青木さんは、小林さんと同じようなことを時折おっしゃっていて「日本に来る外国人はゴールデンコースの東京京都大阪に飽きていて、田舎に行く人が多い。しかも田舎で何もしない。ホテルだけとって2週間ぼーっとしている」「コンクリートばかりの故郷に帰りたいですか、という外国人がいた」

青木さんはなんと今はやりの「医療ツーリズム」の流れを作った立役者でもあられるそうで。。。

いやはや、すごい方々の話が聞けて大変面白かったです。

 

後半は地元の方々交えパネルディスカッション。大滝楽舎の葛原さんもいらっしゃいました。

もともと、このサミット、門出の方々が廃校を使って何かやりたいということで、佐渡は廃校を活かしたプロジェクトがたくさんあるということで見学に来た縁がきっかけだそうで。

コーディネイトしていた交流ネットワークの佐藤さんがいうには、小林さんと葛原さんの対談が非常に面白かったので、それを再現して皆さんとも共有したかったということで・・

小林さんは、世界で活躍されているにもかかわらず、とても気さくな方でした。

藁葺き屋根を残すべく、改修して地域の方と協力して民宿もされているようで。。。今度は門出にも行ってみたいです。

結局は地域資源は何かというとやはり、人なのではないかという意見もありました。

また来たい佐渡になるように、私達一人一人が対外的にだけではなく、普段の人間関係も見直していかないとなと思いました。

 

潮津の里からの眺め。丘の上にあり、海が一望できます。

タタミは珍しい柄でした。トキとコブダイ

こちらは見にくいですがたらい舟。

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