閉山後もそこに住み続けた人々 西三川砂金山の歴史と笹川金山
先日の記事にもさらっと書きましたが、今日は西三川砂金山の歴史について勉強してきました。
金山といえば相川!
というイメージが定着し、佐渡島内の人でさえも相川の金山よりも西三川砂金山のほうが歴史が古いということは知らない人が多いのではないでしょうか・・・?
あるいは学校で習ってその辺はわかってるのかな???
皆様ご存知でしたら申し訳ありません・・・
実は西三川砂金山は佐渡で一番古い砂金採取の歴史があるところと言われています。
今昔物語集にも記述があるようです。
相川の金山のほうは採掘で出てきた水をいかに排出するかという戦いでしたが、こちらの砂金山では水を使って砂金を取り出していました。金は比重が重いので砂を水で流して底に残った金を取り出すという方法ですね。
そのために沢山の水路が作られ、その名残があちこちに残っています。
この笹川集落が特徴的なのは
1–閉山した後も、人々は残り、生活形態を変えて生活し続けている(砂金による収益から農業など)
2–わずか30数件で100人程度の集落なのに分校があるほど子供がたくさんいた
3–笹川金山の名前は笹川と金山という2つの集落が合わさった呼び名。
4–天領
失礼ながら、相川などと比べるとすごい地味な土地柄にもかかわらずきちんとおしゃれなマップがあってびっくりしました。
ヨレヨレの写真で申し訳ありません・・・
見たことがないので住民への配慮もあってか、公に配布はしてないのかもです。
見学も含めて興味のある方は、佐渡市の世界遺産推進課へ問い合わせてみるとよいでしょう。
この地図の番号とリアルな標識の番号は呼応しているようです。
回った順番は番号通りではないですが、まず1番の立残山(たてのこしやま)
砂金が採取された山の一つです。砂金は大流しという手法でたくさんの水を使って採取されました。
その時に作った水路跡なども見られます。
看板によると
・今でも人力によって掘り崩された急斜面を見れる
・大流しという新技術によって産金量が飛躍的に増えた
ということが書いてあります。
こちらは6番の立残山堤跡。
堤というのは大流しに使う大量の水をためておく場所のことです。
集落の人たちはこの堀を埋め立てて畑などに転用し、生活の糧にしています。
次は5番の井之上沢(いのかみさわ)。
山裾に、井戸のそばに大きな湧き水があったようで、そこから名付けられたそうです。
諏訪神社がこの辺にあったそうです。(地元の人の話では山の上にあったんじゃないかと。)
またこの辺は松浪遊仁という人物が金を掘り潰してしまったということも標章に書いてあります。
こちらは西三川小学校笹川分校。
30世帯100人ぐらいしかいないのに、分校があるなんて、それだけの子供がいたということのようです。
グラウンドの白線。先日も集落で運動会があり、ここを使ったんだとか。
とっても小さいので大人が走れるような感じはなかったので、驚きました。
今もなお、愛されている学校なんですね。
将来的にはここを何らか展示などで活用したいという構想もあるようです。
笹川集落のもう一つの特徴は、「がれ石」。
砂金を取る過程でたくさんの大きな石が出てくるのでそれをあちこち石垣にしたり、家の土台にしたりと活用している様子が見られます。
ちなみに、田んぼの水にも砂金が浮かんでいたという地域ですので、家を建てる時は「もう絶対砂金は出ない」という場所を選んで建てたんだとか・・・・
ここは大山祇神社(おおやまずみじんじゃ)。
1593年に砂金山の安全と繁栄の目的で建立されたと書かれていました。
相川にも同じ名前の神社がありますが、ここから勧請(かんじょう)したものなのではないかと言われています。
鳥居や狛犬などは、北海道への出稼ぎで財をなした集落出身者による寄進だそうです。
能舞台もありますが、十年以上能は演じられておらず、3年ほど前だったか、何かコンサートのようなものが行われたきりだそうです。
こちらは金子勘三郎家。
標識は立っていますが、現在も人が住んでいるので、できれば敷地内には立ち入らないほうがいいでしょう。
閉山まで名手として、世話役として地域に貢献したリーダーです。
この人の存在故に、閉山後も人々は村を捨てず、住み続けているのではないかと。
建築的にも西三川砂金山関係の最重要建築物と認識されているようです。
4番は金山役所跡、金山役宅跡。
この標章の後ろ側は金山役宅跡だったのではないかという場所。
道路挟んで迎え側は今畑になってますが、そこが金山役所跡で採掘された砂金を集め、収める分と金掘りたちの取り分を計量など徴収してたのではないかということです。
このガードレールも水路跡です。昔の形状を残しつつ、現代に生かされているものが多かったです。
7番は石積み水路跡。立残山から山居山まで続いています。現在は道路などで一部分断されています。
8番は旧金山(きんざん)、笹川集落境の石碑。前述したように金山は集落名です。
ブイに彫刻をすることで有名なお家なんだそうです。
ガードレールも景観に馴染むようにグレーに塗装されているそうです。法面も草がなんとかって言ってました。。。(生えるようになのか、生えないようになのか聞き漏らしました。。)
ここは地図に番号はついてないですけど、法明院塚。順徳上皇第三皇子彦成親王の墓と言われています。
れっきとした宮内庁管轄の土地だそうです。
最後を飾るのは虎丸山。剥げているところは砂金取りで削ったという理由もあるようですが急すぎで植物が生えないことも原因なんだとか。
もともとここは、砂金を取るためだけに形成された集落で、それが閉山になったら普通は、人々は立ち去るんだそうです。
ただこの集落の人々はそうではなかった。
理由としては先ほど書いたリーダーの存在もあったでしょうし、ここが天領で、日本人の忠孝心でこの土地を守らねばという気持と、何かというとトラブルを収めるためにお蔵米(幕府のにお米)が支給されたという理由もあるようです。
いずれにしてもこの土地を愛し続ける集落の方の心に心打たれた研修会でした。
まだ行かれたことがない方は、ぜひ地元のガイドつきで見学されることをおすすめします!
お問い合わせは世界遺産課まで!(決して回し者ではありません。。。)
==>>笹川のグッドデザインについても別記事で書いてます。
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