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第98号

公開日: : 人物伝, 政治事情

国家予算案 ・ムハンマド・ユヌス氏

□今日の?(〇_o)/! 国家予算案

 

 現在、バングラデシュでは、国会が召集され、予算案が検討されています。

 

 先週の新聞によると、予算総額は、5724.8億TK。主な収入源は、税金。用

 途のトップは教育と情報技術(13%)でした。

 

 国家予算の負担を軽くするために、今回提案されたのは、車の価格、国内便の

 運賃値上げなどです。反対に値下がりするのは、携帯電話料金、砂糖、卵、牛

 乳の価格など。

 

 話は、ずれますが、この間、駅前の不法駐輪についてNHKでやっていました。新

 宿区(だったと思います)では自転車管理費だけで、年間数十億円使っている

 というのです。これだけのお金があったら、ほかのことにも使えるのに・・・。

 となんだかむなしくなってしまいました。

 

 バングラデシュは、融資を受けていながら、結果を出せていないという批判も

 多く受けているようです。国家発展のために、必死にならなければならない、

 このときですから、国会でしっかりとした予算案決議がなされることを願いま

 す。

 

 mmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmm

   

 □今日のレシピ  バングラ人物伝 ムハンマド・ユヌス氏(64歳)

 

 ユヌス氏は、マイクロクレジットを生み出し、広めたことであまりにも有名で

 す。現在はグラミンバンクの総裁として、広く社会に貢献していますが、先日、

 日経アジア賞を受賞し、来日したことは、記憶に新しいです。

 

 マイクロクレジットを直訳すると、小口融資。貧しい女性たちに無担保で融資

 し、経済基盤を作る手助けをするものです。

 

 経済学者として米国への留学経験もあるユヌス氏ですが、若き頃、富める者は

 更に富み、貧しい者はさらに貧する社会の状況に疑問をもっていました。中流

 階級でありながら、貧困層に対して配慮を怠らなかった母親の影響が大きいよ

 うです。

 

 あるとき、ユヌス氏は貧困層の家庭を訪問していました。このとき、マイクロ

 クレジットの発祥となる、女性グループとの出会いがあったのです。

 

 彼女たちは、竹細工作りと販売を手がけ、経済活動をしていたグループでした。

 資金がないために、高利貸しから資金を調達し、家族ともども1日1食もままな

 らないほど、返済に苦しんでいたのです。見かねたユヌス氏は自分の財布から

 約3000円を取り出し、無利子無担保で貸しました。

 

 それからというもの、自分が今まで築いてきた地位も名誉も投げ捨て、資材す

 べてをなげうって、貧困救済のため、小口融資を続けてきました。

 

 結果は見事、全額返済。

 

 依然として民間の銀行は貧困層に冷たく、無担保で融資はできないという姿勢

 でした。2年間で得た実績に自信を得たユヌス氏は、1983年、貧困層のための銀

 行、グラミンバンクを設立したのです。グラミンとは、ベンガル語で、村を意

 味します。

 

 それから20年、マイクロクレジットは60カ国以上で採用され、ユヌス氏はノー

 ベル平和賞候補者に名前があがるほどの功績を残しました。

 

 趣味と呼べるものは、まったくない。

 

 そういいきるほど、貧困撲滅にその人生をかけて来た、人物なのです。

 

 mmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmm

  

  

 □編集後記

 

 来週25日、隣人がアドバイザーとしてかかわっている、ある団体の10周年記念

 式典があります。記念誌を発行するのに、だんなと2人でデザインを手がけまし

 た。

 

 イラストレーターで全ページをほぼ完璧に仕上げ、出力すればいいだけの状態

 にしましたが、印刷所は、なぜかそのデータを使おうとせず、自分たちで一か

 らページを作っています。

 

 しかも、まったく別のデザインで。

 

 私たちが費やした時間は何だったの? という感じです。

 

 バングラデシュでは、お金を取るために、わざわざこうしたことをすることが

 多いとか。日本でなら考えられません。彼らにとっても、新規でページのレイ

 アウトをするのは、時間がかかるわけだから、浮いたその分でほかの仕事がで

 きるのに。

 

 彼らの仕事を見に行った隣人は、「こんなデザインにしろと言ってない!」と

 怒りましたが、怒れば怒るほど、「バングラではこれがいいんだ!」と、かた

 くなに主張するばかり。そばにいたコビールも、「これがいいね。」と相手の

 調子に飲まれています。

 

 隣人は、見本として持っていった中国の記念誌を広げて、「これは、装飾が派

 手だから、あなたたちは好きでしょう?」と質問。「おお、こういうのがいい

 んだ」と喜ぶ彼らに、「でもね、日本人は、違うんだよ。こういうようなシン

 プルなのが好きなんだ」と話すと、やっと理解できたようで、持っていったデ

 ザインと同じく作り始めたそうです。

 

 コビールだけだったらどうなっていたことか・・・・。

 

 あれから、2日たちますが、2ページ目以降が同じ仕上がりになっているかは疑

 問です。

 

 バングラは、今日は激しい雨が降りました。

 

 だんなの会社の門も、水で埋まり、だんなは裸足で帰ってきました。

 

 というわけで、今日もご購読ありがとうございます。

 

 また明日、お会いできますよう!

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